フランス国民議会、死刑廃止法を可決──ギヨタンの歴史に幕

【パリ 9月18日】

本日、フランス国民議会において「死刑廃止法案」が賛成多数で可決された。これにより、革命期より続いていたギロチンによる処刑制度が、ついに正式に廃止される運びとなった。

法案を提出したのは、ミッテラン政権下で法相を務めるロベール・バダンテール氏。かねてより人権尊重の立場から死刑制度の撤廃を訴えてきた同氏は、議場での演説において「国家が命を奪うことに正義はない」と強く主張し、賛同を集めた。

フランスでは1977年を最後に死刑の執行は行われていなかったが、法律上はなお存続していた。今回の可決により、フランス第五共和政史上初めて、死刑が法的に完全撤廃されることになる。

この改革は、欧州全体で進む死刑廃止の潮流とも歩調を合わせたものであり、人権国家としての姿勢を内外に示す歴史的決定と位置づけられている。

なお、世論調査ではいまだに一定数の国民が死刑維持を支持しており、国内では今後も議論が続くものと見られる。

ギロチンに象徴されたフランスの刑罰制度は、約200年の歴史に幕を下ろすこととなった。

— RekisyNews パリ通信 【1981年】

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