【ローマ 9月15日】
本日、ローマ・カトリック教会の最高指導者を選出するコンクラーヴェ(教皇選挙会議)において、枢機卿ジョヴァンニ・バッティスタ・カスターニャ(享年69)が新たなローマ教皇に選出され、「ウルバヌス7世(Urbanus VII)」の名を掲げて即位することが決定した。前教皇シクストゥス5世の崩御を受け、迅速に進められていた選挙はわずか12日間での決着となった。
ウルバヌス7世は、1521年にジェノヴァ共和国に生まれ、教会法学と外交に長けた聖職者として名を馳せてきた。これまでには教皇庁の外交使節やインクジット(教理聖省)の審問官としても活躍し、慎重かつ誠実な姿勢により多くの支持を得ていた人物である。教皇庁内では、公正無私な改革者としての評価が高い。
新教皇は、選出直後の声明にて「信仰と慈悲をもって神の民を導き、教会の一致と清浄を保つ務めを果たしたい」と語った。特に貧困層への施しと聖職者の倫理の再建に強い関心を寄せており、今後の施策に注目が集まる。
また、彼は先進的な衛生政策にも理解を示しており、ローマ市内における公衆衛生の改善や禁煙令の制定を検討しているとも伝えられる。これは聖職者や信徒の健康を重んじる姿勢の一環とみられる。
ただし、新教皇は持病を抱えており、体調面への懸念も根強い。長期の在位となるかどうかは不透明ではあるが、枢機卿団および市民からの期待は高く、即位を祝う鐘の音がヴァチカンからローマ全体に鳴り響いた。
教会は今、新たな舵取り役のもと、改革と信仰の再興に向けて動き出そうとしている。
— RekisyNews 宗教面 【1590年】