古代エジプトの謎、ついに解かれる──シャンポリオンがヒエログリフの解読に成功

 【パリ 9月14日】

本日、フランスの言語学者ジャン=フランソワ・シャンポリオン(31)が、長年謎とされていた古代エジプトの象形文字「ヒエログリフ」の解読に成功したと発表された。ナポレオンのエジプト遠征以来、ヨーロッパ中で関心が高まっていたこの象形文字の研究において、ついに決定的な進展がもたらされた。

シャンポリオンは、1799年にエジプトのロゼッタで発見された「ロゼッタ・ストーン」に記された三種の文字──ギリシア文字、民衆文字(デモティック)、ヒエログリフ──の比較研究を通じて、象形文字が単なる絵ではなく、音声や音節を表す記号であることを突き止めた。特に、王名が囲まれた「カルトゥーシュ」に着目し、プトレマイオスやクレオパトラといった王名の読み解きに成功したことが、解読への突破口となった。

パリのアカデミーでは、今朝開かれた講演でシャンポリオン自らが解読のプロセスを報告し、聴衆から大きな拍手が沸き起こった。講演後、シャンポリオンは「私は読める!」と叫びながら壇上を駆け下りたと伝えられており、その熱狂ぶりが現場の雰囲気を象徴している。

この成果により、数千年にわたり沈黙を続けていた古代エジプト文明の歴史・宗教・思想が、ようやく現代に語りかけてくる可能性が開かれた。考古学界では、「エジプト学の夜明け」と称する声も出ており、今後の碑文・遺跡の再検証に大きな影響を及ぼすとみられている。

— RekisyNews 学術面 【1822年】

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