日本、国際標準化機構(ISO)へ正式加盟へ — 戦後復興と国際信頼の一歩

【ジュネーブ 9月11日】

国際標準化機構(ISO)は11日、日本の加盟申請を正式に承認したと発表した。これにより、日本は同機構における第25番目の加盟国として、国際的な工業標準の策定に参加することとなる。戦後間もないこの時期における加盟は、日本の国際社会復帰の象徴的な出来事と位置づけられている。

ISOは、産業製品や技術の国際的な標準を定める目的で1947年に設立された組織で、本部はスイス・ジュネーブに置かれている。加盟国は、機械工学、通信、化学製品など、幅広い分野にわたる標準化作業に関与し、国際貿易の円滑化と技術の相互互換性を促進する役割を担う。

日本側からは、通商産業省(現在の経済産業省)を通じて加盟申請が行われ、科学技術庁や工業会関係者との調整を経て今回の承認に至った。ISO側も、日本の工業力と技術力の高さに注目し、加盟による国際協力への期待を表明している。

今回の加盟により、日本企業が製造・輸出する製品に国際規格の認証が与えられやすくなり、輸出競争力の向上が見込まれる。また、国内での工業標準の整備にも拍車がかかるとされ、技術開発や製品の品質向上にもつながるものと期待されている。

関係者の間では「日本の技術が国際舞台で再び認められることになった」「平和国家としての再出発にふさわしい一歩」と歓迎の声があがっており、日本の産業界にとって大きな転機となることは間違いない。

— RekisyNews 経済・産業面 【1951年】

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