【モンテロー=フォー=ヨンヌ 9月10日】
混乱の続くフランス王国に衝撃が走った。昨日9日、ブルゴーニュ公ジャン1世(通称:無怖公)が、王太子シャルル(フランス王シャルル6世の子)との会見のために訪れていたモンテロー=フォー=ヨンヌにて、王太子側の支持者によって暗殺された。享年49。
事件は、セーヌ川にかかる橋上で発生。和平交渉の一環として設けられた会見の場に、公は騎馬にて到着。その直後、王太子側の騎士たちが突然刃を抜き、ジャン公に斬りかかったという。現場に居合わせた者によれば、「剣が閃いたのはほんの一瞬のことで、公は声をあげる間もなく倒れた」と語っている。
ブルゴーニュ公ジャンは、アルマニャック派との抗争で王国政治の中枢に大きな影響力を持っていた人物であり、過去には王太子の側近であるオルレアン公ルイの暗殺にも関与したとされる。その因縁が今回の会見に影を落としていたとの見方も強い。
王太子シャルルは事件後、関与を否定しており、「和平のための会見がこのような悲劇となったことを深く遺憾に思う」との声明を側近を通じて発表した。しかしながら、ブルゴーニュ派の貴族たちは激しく反発しており、「これは宣戦布告に等しい」として、武力による報復も辞さぬ構えを見せている。
王国の南北を二分してきた内乱の火種は、今回の事件を契機にさらに激化する可能性が高まっている。パリでは、王宮を警護する兵士の数が増員され、今後の動向に緊張が高まっている。
— RekisyNews 国際面 【1419年】