新教皇にカエレスティヌス1世即位 — 東西協調と異端対策に期待集まる

【ローマ 9月10日】

西方教会の最高位に空位が続いていた教皇座に、昨日、カエレスティヌス1世が正式に即位した。先代ボニファティウス1世の逝去から20日あまりを経ての選出であり、教会内外からは、長引く混乱の収拾と東西教会の協調への指導力が期待されている。

新教皇カエレスティヌス1世はローマ貴族出身とされ、かねてより文筆に長け、典礼と神学において深い造詣を持つ人物として知られている。即位式は聖パウロ大聖堂で荘厳に執り行われ、元老院議員や各教区の司教らも列席。市民も多数詰めかけ、祈りと歓声で新教皇を迎えた。

式典において新教皇は、「主の教えを曲げる異端の広がりに断固たる姿勢で臨む」と述べ、各地で問題視されているプラギアニズムやネストリウス派などの教義逸脱に警戒感を示した。また、コンスタンティノープルとの関係についても「聖なる一致のもとに協議を重ねる所存」とし、東方教会との融和姿勢も滲ませた。

ローマ教会はここ数年、皇帝権との微妙な力関係や、北アフリカにおける異端論争など多くの課題に直面してきた。そうした中での今回の人事に、教会関係者からは「穏健だが信念ある人物」「筆の力で異端を静める新しいタイプの教皇」といった期待の声も上がっている。

一方、市民の間では新教皇の慈善活動への関心も高く、貧者救済や聖堂の整備など、公共の福祉への働きかけにも注目が集まっている。

今後、カエレスティヌス1世がいかなる指導力を発揮し、教会の進路を定めていくのか。その一挙手一投足に、帝都ローマは熱い視線を注いでいる。

— RekisyNews バチカン特電 【422年】

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次