【サンルカール・デ・バラメーダ 9月6日】
人類史上初の世界一周航海を成し遂げたスペインの探検船「ビクトリア号」が本日、アンダルシア地方の港町サンルカール・デ・バラメーダに帰還した。1519年に大航海へと出発して以来、実に3年ぶりの帰港となる。
この航海は、ポルトガル人航海者フェルディナンド・マゼランの指揮のもと、当初5隻・約270人の大艦隊として始まった。目的はモルッカ諸島(香料諸島)への西回り航路の発見であった。だが、過酷な航海の中で多くの困難が重なり、マゼラン自身も1521年にフィリピンで戦死。指揮はフアン・セバスティアン・エルカーノに引き継がれ、ついにビクトリア号ただ1隻が航海を完遂した。
この日帰還した船には、わずか18人の乗組員しか残っておらず、出航時の艦隊規模からは想像もできない苦難の道のりを物語っている。
航海の中で彼らは南アメリカ南端の未知の海峡(後の「マゼラン海峡」)を通過し、太平洋、フィリピン、インド洋、アフリカ南端を回ってスペインに帰還。これにより、地球が球体であることが実証されたと共に、世界の大きさ、時間、そして文明の概念そのものが大きく変わることになる。
エルカーノらは、王室の命令に忠実に従い、全地球を巡るという前人未踏の偉業を成し遂げた英雄として称賛される見通しである。
— RekisyNews 世界面 【1522年】