【バッファロー 9月6日】
本日午後、米ニューヨーク州バッファローで開催中のパン・アメリカン博覧会の会場内において、アメリカ合衆国第25代大統領ウィリアム・マッキンリー氏(58)が銃撃される事件が発生した。現場は騒然とし、大統領はすぐさま医療施設に搬送されたが、腹部を中心に2発の銃弾を受け、重体となっている。
犯人は**レオン・チョルゴシュ(28)**と名乗る男で、オハイオ州クリーブランド在住の無職。無政府主義に傾倒していたと見られ、「私は大統領の方針に反対し、労働者の敵だと思った」と供述している。チョルゴシュは、包帯を巻いた右手に拳銃を隠し、握手を求めるふりをして至近距離から発砲した。
事件は、博覧会の「テンプル・オブ・ミュージック」会場内で、市民との面会中に発生。当時の警備は緩く、周囲にいた来場者の証言によれば、「大統領は一瞬驚いた表情を浮かべ、次の瞬間には倒れた」という。即座に取り押さえられたチョルゴシュは、群衆に暴行される寸前に警官によって保護された。
ホワイトハウスによれば、大統領は意識を保っているものの、弾丸が胃や腸を貫通しており予断を許さない状況。副大統領セオドア・ルーズベルト氏をはじめとする政権幹部は事態の把握と対応に追われている。国民からは「大統領の命を守れ」「アメリカの自由と秩序が狙われた」といった声が相次ぎ、全国で強い憤りと不安が広がっている。
この事件は、近代アメリカ政治における治安と民主主義のあり方を揺るがす重大事件として、今後の情勢に大きな影響を及ぼすと見られる。マッキンリー大統領はこれまで、経済の安定や国際貿易の拡大に尽力してきた指導者であり、その政治的影響力の喪失は計り知れない。
— RekisyNews 国際面 【1901年】