【南京 9月1日】
中華民国における政変「第二革命」は、本日、袁世凱率いる北洋軍が南京を占領したことで事実上の終結を迎えた。混乱の中、在留日本人3名が殺害される惨事も発生し、現地情勢は緊迫している。
今回の革命は、孫文率いる 中国同盟会系勢力 を中心とする南方の国民党勢力が、臨時大総統 袁世凱 に対抗して蜂起したことに端を発する。袁世凱が 宋教仁暗殺事件(1913年3月) に関与した疑惑や、国会を無視した強権的な政治姿勢への反発が、南部諸省での武装抵抗を引き起こした。
南京では7月以降、国民党軍が抵抗を続けてきたが、北洋軍の圧倒的な兵力を前に陥落は時間の問題とされていた。本日午前、袁軍が市内へ突入し、午後には完全占領を達成。これにより、第二革命は事実上鎮圧された形となる。
しかし、占領の混乱の中で 在留邦人3名が殺害される という事件が発生。現地日本総領事館は緊急声明を発表し、「詳細を調査中だが、今後の安全対策を講じる」と強調した。外務省は北京政府に対し、治安回復と邦人保護を強く要請するとしている。
袁世凱は今回の鎮圧によって政権基盤を固めた形だが、一方で国民党勢力との対立は深まり、国内の分裂はさらに進む見通し。北京の外交筋によると、「袁大総統は権力を一層集中させ、共和制から事実上の独裁体制へ移行する可能性が高い」との見方が強い。
国際社会では、南京での日本人犠牲を受け、列強各国が在留民保護を強化する動きも出ている。混迷する中国情勢は、東アジア全体の安全保障に大きな影響を及ぼす可能性がある。
— RekisyNews 国際面 【1913年】