ブラジル植民地、首都をリオへ移転 サルヴァドールから行政機能を全面移譲

【リオ・デ・ジャネイロ 8月31日】
ポルトガル王室は本日、ブラジル植民地の首都をサルヴァドールからリオ・デ・ジャネイロへ正式に移転したと発表した。行政機能や統治機関は即日リオに移され、南米最大の植民地支配の拠点は大きな転換点を迎えた。

サルヴァドールは1549年の植民地行政開始以来、長らくブラジル総督府の所在地として大西洋貿易を統括してきた。しかし近年、鉱山地帯であるミナスジェライス州との交易や、金・ダイヤモンドの輸送路の重要性が増すにつれ、より南方に位置するリオ・デ・ジャネイロの戦略的価値が高まっていた。

ポルトガル政府関係者は「リオは南東部鉱山地帯への玄関口であり、防衛・輸送の両面で優位性を持つ」と強調。近年活発化している海賊行為や他国勢力の侵入への備えとしても、天然の良港を有するリオは理想的な拠点とされている。

一方、サルヴァドール市民の間では複雑な感情も広がっている。地元商人の一人は「300年以上続いた交易の中心地としての地位が失われるのは寂しい」と語った。しかし、政府は引き続き北東部の砂糖貿易拠点としてのサルヴァドールの重要性を強調し、経済的打撃を最小限に抑える方針を示している。

今回の首都移転により、リオ・デ・ジャネイロは政治・軍事・経済の中心地として急速な発展が見込まれる。植民地全域の統治強化に加え、大西洋貿易を巡る国際競争の中で、ポルトガル帝国の影響力をさらに高める狙いがあるとみられている。

— RekisyNews 南米面 【1763年

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