【バリャドリッド 8月31日】
本日、カスティーリャ王国においてフェルナンド三世(18)が正式に即位した。先王エンリケ1世の急逝に伴う王位継承問題で混乱が続く中、宮廷と貴族たちは一致して新王を支持。王国は若き君主のもとで新たな局面を迎える。
即位式はバリャドリッドのサン・ミゲル教会で厳かに執り行われ、国内各地から集まった司教や貴族らが立ち会った。フェルナンド三世は母親であるレオノール・デ・イングランド王妃の影響を受けた柔和な人柄で知られるが、その一方で軍事的才覚にも優れると評されている。
式典後、新王は「神の導きと民の信頼を胸に、平和と繁栄をもたらす統治に尽くす」と誓いを述べ、会場は大きな歓声に包まれた。
今回の即位は、カスティーリャとレオン両王国の統合に向けた布石としても注目されている。フェルナンド三世はレオン王アルフォンソ9世の息子であり、両王家を結ぶ血筋を持つため、長年の分断を解消する可能性を秘めている。王国高官は「強固な王権の下で、国境を越えた協力体制が築かれるだろう」と期待を示した。
さらに、南部ではイスラム勢力との対立が続いており、レコンキスタ(国土回復運動)の戦況にも影響が及ぶ見通しだ。宮廷筋によれば、新王は軍備の再編を計画しており、グアダルキビール川以南の拠点攻略に向けた準備が進められる可能性があるという。
王国は若き指導者のもと、新たな時代への一歩を踏み出した。しかし、王位継承を巡る対立は完全に収束したわけではなく、周辺諸侯の動向から目が離せない状況が続いている。
— RekisyNews ヨーロッパ面 【1217年】