三菱重工本社前で大爆発 8人死亡・376人負傷 警視庁、過激派関与を捜査

【東京・丸の内 8月30日】

本日午後0時45分ごろ、東京都千代田区丸の内の三菱重工業本社ビル前で大規模な爆発が発生し、警視庁の発表によるとこれまでに8人が死亡、376人が重軽傷を負った。現場は昼休み中で人通りが多く、周辺は一時騒然となった。

爆発は本社ビルの正面玄関付近に駐車されていた車両で発生。爆風によりガラス窓が粉々に吹き飛び、周辺の歩道には数十メートルにわたり破片が散乱した。現場近くの会社員は「雷のような轟音とともに体が吹き飛ばされた。何が起きたのか分からなかった」と震える声で語った。消防によれば、火災は数分で鎮圧されたが、爆風による建物損壊が広範囲に及んでいる。

警視庁は、爆発の規模や手口から組織的犯行の可能性が高いとみて、極左過激派「東アジア反日武装戦線」の関与を視野に捜査を開始。現場からは時限式の爆発装置とみられる部品が回収されており、科学捜査研究所で分析を進めている。

三菱重工は航空機や造船など防衛関連産業を手がけており、同社を標的にした意図的な犯行との見方が強い。政府関係者は「極めて卑劣かつ悪質な行為であり、社会に重大な不安を与えるもの」として、関係省庁と連携した警備強化を指示した。

現場周辺は今も規制線が張られ、救急車と報道陣が入り乱れる混乱状態が続く。丸の内のオフィス街では、帰宅を急ぐ会社員の列が長く伸び、近隣住民の間では「東京でこれほど大きな爆発は初めてだ」と不安の声が広がっている。

戦後最大規模ともいえる都市型爆破事件に、首都は大きな衝撃に包まれている。

警視庁は近く記者会見を開き、爆発物の詳細と捜査方針を明らかにする見通しだ。

— RekisyNews 社会・事件面 【1974年】

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