宇喜多秀家勢、伏見攻囲に本格合流/東国は前日、秀忠が会津へ進発

【京・江戸】
大坂に拠る上方衆は、宇喜多秀家の大隊を伏見城前線へ加え、包囲線の建て直しと兵糧・弾薬の前送を加速した。秀家自ら社参して士気を鼓舞したとの報もあり、城外の柵際では鉄砲の威嚇射撃と陣地構築が並行。攻め手の顔ぶれに宇喜多が加わり、攻囲は段階を一つ進めた。

これに対し、伏見城は留守居・鳥居元忠が総指揮。城兵はおよそ一千八百前後で、持久を旨として持ち場交替・矢弾節用・延焼遮断を徹底する。西の丸・小丸群の補修を急ぎ、夜襲と放火への備えを厚くした。守勢の目標は「あくまで足止め」と見られる

一方、東国では前日、前軍を率いる徳川秀忠が江戸城を発し、宇都宮を経て会津筋へ進発。内府衆の北方作戦は本格化し、道中の諸家にも動員と在陣の達しが相次ぐ。のちに秀忠が宇都宮から出立の旨を諸方へ通達した書状も伝わり、東山道筋の行軍が現実の足音を立て始めた。

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