【ロンドン 8月28日発】
英王室は本日、チャールズ皇太子(47)とダイアナ妃(35)が正式に離婚したと発表した。1981年の華やかな「世紀のロイヤルウェディング」から15年。度重なる不仲説と報道合戦の末、王室は長きにわたる確執に終止符を打つ形となった。
王室広報室によると、今回の離婚はエリザベス女王の強い勧告を受け、双方合意の上で成立。ダイアナ妃は「プリンセス・オブ・ウェールズ」の称号を保持するが、「殿下(HRH)」の敬称は失う。また、二人の王子、ウィリアム(14)とハリー(11)の親権は共同で持つことが確認された。
チャールズ皇太子とダイアナ妃の不仲は、かねてから英国内外で注目を集めてきた。皇太子の長年の交際相手であるカミラ夫人の存在や、ダイアナ妃自身の公的発言が繰り返し報じられ、夫妻の溝は深まる一方だった。今年2月には正式な離婚交渉開始が発表され、今回の成立に至った。
バッキンガム宮殿前には朝から報道陣と市民が詰めかけ、発表を見守った。ロンドン市内の主婦は「夢のような結婚式を覚えている。とても寂しい」と語り、別の若者は「ダイアナは国民に愛されている。これからも彼女を支持する」と声を上げた。
王室は今回の離婚について「チャールズ皇太子は引き続き王位継承者としての責務を果たす」と強調。一方で専門家は「王室と国民との距離がさらに問われる」と指摘する。
華やかな王室の影にあった複雑な人間模様は、ひとつの節目を迎えた。
その先にある未来は、王室にとっても、国民にとっても、まだ見通せない。
— RekisyNews 国際・社会面 【1996年】
アイキャッチ画像:John Mathew Smith & www.celebrity-photos.com from Laurel Maryland, USA (Archived link) – BEST ALL-TIME DIANA! (Archived link), CC 表示-継承 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=154920312による