楊氏、玄宗皇帝の貴妃に冊立 宮廷に新たな寵愛の象徴

本日、唐の宮廷で楊氏(名は玉環、字を太真)が正式に玄宗皇帝の貴妃に冊立された。これまで道士として宮中に仕えていた彼女は、その美貌と才気により皇帝の深い寵愛を受けてきたが、今回の冊立により后妃の最高位に列することとなった。

儀式は大明宮にて厳かに行われ、華やかな装束に身を包んだ楊氏が群臣の前に姿を現すと、宮廷はたちまち華麗な雰囲気に包まれた。皇帝は直々に「貴妃」の称号を授け、以後は楊氏が宮中の中心的存在となることが明らかとなった。

玄宗皇帝は近年、音楽や舞踊を愛し、詩人や楽人を庇護することで知られている。楊貴妃もまた舞と歌に秀で、彼女の登場は宮廷文化の一層の隆盛を予感させる。一方で、過度の寵愛が政治に影響を及ぼすのではないかとの懸念も早くもささやかれ始めている。

楊氏はもと魏国夫人として嫁いだ経歴を持つが、出家後に皇帝の目に留まり、短期間のうちに宮中で地位を高めてきた。側近の官人は「その美しさは比類なく、帝の心をとらえて離さぬ」と語り、今後も皇帝の生活に欠かせぬ存在になるとみられる。

市井では早くも「天下一の美人が后位に上った」と話題になり、香料や衣装を扱う商人たちは新たな流行を期待している。ある長安の市民は「皇帝が安らぎを得るなら国も安らかになる」と語ったが、同時に「寵愛が過ぎれば政務が疎かになるのでは」との声も聞かれた。

楊貴妃の冊立は、唐王朝の宮廷に新しい風をもたらす一方で、政治と文化の行方に大きな影響を及ぼす可能性がある。今後の朝廷内の力学に注目が集まっている。

— RekisyNews 宮廷・文化面 【745年】

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