【ローマ 8月19日】
本日、カエサルの後継者を自任する若き指導者オクタウィアヌスが軍勢を率いてローマへ入城し、元老院に対し自らを執政官に選出するよう強く迫った。彼はわずか20歳余りの若さながら、父と仰ぐユリウス・カエサルの名を背景に勢力を拡大し、ついに国家の中枢に足を踏み入れた。
入城に際しては市門周辺に兵が配置され、市民はその武威に息を呑んだ。オクタウィアヌスは市街で混乱を避ける姿勢を示しつつも、元老院への圧力を隠さず、「国家の秩序を保つためには、自らが執政官に就くことが必要だ」と主張したという。元老院議場は緊張に包まれ、議員たちは若き指導者の要求に抗するか否かの岐路に立たされている。
背景には、カエサル暗殺後に続く権力闘争がある。元老院と暗殺派が衰退する一方で、マルクス・アントニウスら有力者との対立が深まっており、オクタウィアヌスは自らの軍事力を盾に地位の確保を図った。すでに多数の退役兵を味方につけ、都市周辺には数万の兵が駐屯しているとされる。
市民の間では「若き後継者に未来を託すべきだ」との声と、「暴力で職を得るのは共和国の危機だ」との懸念が交錯している。ある元老院議員は「拒めば戦火が市街を覆う」と語り、妥協を余儀なくされる可能性を示唆した。
オクタウィアヌスの動きは、共和政の根幹を揺るがす重大な局面である。彼が執政官に就けば、政局は大きく変動し、今後のローマ支配の在り方に決定的な影響を及ぼすことは避けられない。
ローマは今、新たな時代の入り口に立たされている。若き指導者の行動は、帝国への道を開く第一歩となるのか、その行方が注視されている。
— RekisyNews 国際・政治面 【紀元前43年】