女性参政権ついに実現 憲法修正第19条、各州の批准成立

 【ワシントン 8月18日】

長年にわたり全米各地で訴えられてきた女性参政権の要求がついに実を結んだ。本日、アメリカ合衆国憲法修正第19条の批准が成立し、女性に選挙権が認められることとなった。36番目の州としてテネシー州が批准を決議したことで、憲法改正に必要な規定数に達したものである。

修正第19条は「合衆国市民の投票権は、性別を理由として否定もしくは制限されてはならない」と定めている。すでに西部や一部の州では女性が選挙権を行使していたが、全国的な権利保障は長らく課題とされてきた。今回の成立により、全国規模での平等な参政権が法的に確立する。

首都では早朝から女性団体の代表らが議会前に集い、決議の報を受けると万雷の拍手と歓声が広がった。活動家の一人は「半世紀以上に及ぶ努力が報われた。次の世代の娘たちは当然の権利として投票所へ向かうだろう」と語り、喜びを隠さなかった。

一方で、依然として女性の政治参加に懐疑的な声も残っている。南部諸州を中心に一部の議員は反対を続けており、実際の選挙運営の現場で円滑に権利が行使されるかどうか、課題は残る。とりわけ有色人種の女性に対しては州ごとに制限が設けられる可能性も指摘されている。

それでも今回の改正は、民主主義の拡大を示す歴史的転機であることに疑いはない。アメリカは今後、男女が共に選挙権を有する社会へと歩み出すこととなる。秋に予定される各地の選挙から、女性有権者の姿が投票所に並ぶ光景が現れるだろう。

— RekisyNews 政治・社会面 【1920年】

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