【山城国・東山 8月17日】
本日、征夷大将軍の坂上田村麻呂が、観音菩薩を本尊とする新たな寺院を東山の音羽の滝のほとりに建立した。寺号は「清水寺」とされ、豊かな湧水をたたえる霊地に堂宇を構えることで、人々の信仰を集めることを目指している。
伝えによれば、田村麻呂は当地で修行を続けていた行叡居士と出会い、その教えを受けて観音霊場の建立を決意したという。境内は鬱蒼とした森に囲まれ、清らかな水が絶えず湧き出る音羽の滝を背景に、観音堂が荘厳に建ち上がった。
落慶の儀には近隣の僧侶や住民が参集し、法要が厳かに営まれた。参列者の一人は「清らかな水音に包まれた堂宇は、まさに観音の浄土のようだ」と感慨を語った。
寺は観音信仰の中心となるのみならず、東山一帯の人々の精神的支柱ともなることが期待される。田村麻呂は「戦乱の世にあっても、人々が心の拠り所を得られる場を築きたい」と述べたと伝えられる。
また、寺の周辺には早くも参詣者が集まり、祈願や水を汲む姿が見られる。地元の農民は「この清水をいただけば五穀豊穣が叶う」と語り、信仰の広がりが始まっている様子がうかがえる。
東山の新霊場「清水寺」の誕生は、仏教文化のさらなる隆盛を告げる出来事となった。
— RekisyNews 社会・文化面 【798年