ロヨラら8名、共同誓願で新会結成 「イエズスの友」と名乗り布教を誓う

【パリ 8月15日】

パリ大学近くの聖マルタン教会で本日、イグナチオ・デ・ロヨラ氏を中心とする神学徒9名が共同で誓願を立て、新たな宗教的同志会を結成した。彼らは自らを「イエズスの友(ラテン語で“Societas Jesu”)」と呼び、貧困と貞潔の保持、そして必要とあらば聖地や異国での布教に赴くことを誓った。

ロヨラ氏はスペイン・バスク出身の元軍人で、負傷療養中に信仰の道を志し、神学を修めるため渡仏。志を同じくする仲間を集め、数年にわたり祈りと学びを重ねてきた。この日、誓いを共にしたのはフランソワ・ザビエル氏やピエール・ファブル氏など各国出身の若き学徒で、全員が祭壇前で手を取り合い、誓文を読み上げた。

会の名称は、彼らが生活と活動のすべてをキリスト(イエズス)の導きに委ねる決意を示すものだという。誓願後は聖体礼拝を行い、参列した信徒や友人らが静かに祈りを捧げた。

今後一行はパリでの神学研究を続けながら、聖地エルサレムを目指す計画を立てている。ただし、地中海沿岸の政情不安から渡航が叶わぬ場合は、教皇の指示する地で活動する意向だ。

会の結成を見守った修道士は「彼らは互いを深く信頼し合い、使命に燃えている。将来、教会に新たな力をもたらすだろう」と評した。一方、大学内では「熱意は認めるが、学問半ばで旅立つのは惜しい」との声もある。

小さな集まりながら、その名と誓いは海を越えて広がり、やがて多くの地に影響を及ぼす可能性を秘めている。

— RekisyNews 宗教・社会面 【1534年】

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