修禅寺で源頼家急死 入浴中に急変、暗殺の噂広がる

 【伊豆・修禅寺 8月14日】

伊豆国修禅寺に幽閉されていた鎌倉殿・源頼家(23)が本日、入浴中に急死した。寺内関係者によれば、頼家は湯あみの最中に倒れ、その後まもなく息を引き取ったという。急な出来事に周辺は騒然となり、死因をめぐって様々な憶測が飛び交っている。

頼家は将軍職にあったが、近年は政務から退けられ、北条氏ら有力御家人の合議制が政務を担っていた。今年春、病に倒れてからは修禅寺で療養を続けていたが、快方に向かう様子は見られなかった。

目撃した僧の話では、今朝も頼家は湯殿に向かい、侍医や僧侶が付き添っていたが、程なくして悲鳴が響き、駆けつけた時には意識がなかったという。体表に外傷は少なく、薬物の使用や入浴中の急襲など、暗殺の可能性を指摘する声もある。

鎌倉からの使者は「病死として葬儀を進める」と述べ、詳細の調査には言及しなかった。一方、頼家の側近や旧臣の一部は「政敵による謀殺は明らか」と憤りを隠さず、北条氏の関与を疑う見方が広がっている。

頼家は源頼朝の嫡男として若くして将軍職に就き、強い指導力を示したが、御家人との対立が深まり失脚。幽閉生活の中で命を落とした今回の急死は、鎌倉政権内の権力争いの深刻さを改めて浮き彫りにした。

今後、鎌倉殿の座は弟・実朝が継ぐ見通しだが、政権の安定は依然不透明だ。伊豆の山里を覆う朝霧の中、若き将軍の短い生涯は静かに幕を閉じた。

— RekisyNews 政治面 【1204年】

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