「JOKK、聞こえますか」 ―― 東京放送局、ラジオ試験放送を開始。電波時代の幕開け

【東京 3月22日】

社団法人東京放送局(現:NHK放送センター)は本日、芝浦の仮放送所から日本初のラジオ試験放送を開始した。午前9時30分、京田武男アナウンサーによる「アー、アー、聞こえますか。JOKK、JOKK、こちらは東京放送局であります」という第一声が春の空に放たれ、日本の放送史における記念すべき第一歩を刻んだ。

大正12年の関東大震災を経て、情報の即時伝達の重要性が再認識される中で実現したこの放送。本日のプログラムには、ニュース、気象予報、そして音楽演奏などが含まれており、都内に設置されたわずかな受信機の前には、未知の「空中からの声」を聴こうと人々が集まった。

現在はまだ試験段階であり、出力も弱いが、7月には愛宕山からの本放送が予定されている。新聞や雑誌という活字メディアに加え、「音声」がダイレクトに家庭に届くこの新技術は、日本人の生活様式や文化、さらには政治のあり方をも根底から変えていく巨大な可能性を秘めている。

— RekisyNews 社会面 【1925年】

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