宗教改革の巨星クランマー、火刑に処される ―― 女王メアリー1世の断罪、オックスフォードで散る

【オックスフォード 3月21日】

イングランドの宗教改革を主導し、カンタベリー大主教を務めたトマス・クランマー(66)が本日、女王メアリー1世の命により、オックスフォードの刑場で火刑に処された。カトリックへの復帰を掲げる「血のメアリー」の容赦ない異端審問により、英国国教会の礎を築いた知性が非業の最期を遂げた。

クランマーはかつて、ヘンリー8世の離婚問題を支持し、イングランドをローマ教皇庁から離脱させた張本人である。獄中では拷問と心理的圧迫により一度は信仰の撤回書に署名したが、処刑直前の本日、公衆の前で撤回を断固拒否。「背信の署名をしたこの右手を、真っ先に焼いてやる」と宣言し、燃え盛る炎の中に自ら右手を突き出したという。

この壮絶な殉教は、イングランド全土に衝撃を与えている。女王による苛烈な弾圧は、皮肉にもプロテスタントたちの結束を強める結果となっており、宗教を巡る流血の対立はさらなる泥沼化の様相を呈している。一人の神学者が炎の中で貫いた信念は、イングランドの歴史に消えない火種を投げ込んだ。

— RekisyNews 社会面 【1556年】

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