【広州 3月20日】
広東国民政府の軍事指導者・蔣介石は本日、共産党員が指揮する軍艦「中山艦」による反乱の企てがあるとして、広州市内に戒厳令を敷き、共産党関係者およびソ連顧問団を急襲・拘束する反共クーデター(中山艦事件)を決行した。これにより、これまで維持されてきた「国共合作」の体制は重大な転機を迎え、蔣介石が党内での独裁的権力を握る決定的な一歩となった。
蔣介石側は、中山艦が自身の拉致を企てたと主張しているが、共産党側は「蒋の捏造である」と反論。しかし、軍権を握る蒋の電撃的な行動により、広州の要所は即座に制圧され、ソ連の影響力は大きく減退した。これまで蒋を支えてきた左派勢力も沈黙を余儀なくされている。
今回の事件は、国民革命軍による北伐(全国統一)を目前に控える中で、内部の主導権争いが表面化したものである。蒋介石はこの行動によって軍の最高実力者としての地位を確立し、共産党との決別、そして武力による中国統一という独自の道を突き進む構えだ。東アジアの政治情勢を左右する「嵐の始まり」が、広州の港から鳴り響いている。
— RekisyNews 社会面 【1926年】
