兄王暗殺の悲劇 ―― エゼルレッド、若干12歳でイングランド王に就任

【ドーセット 3月18日】

ウェセックス家の王族エゼルレッド(エドガー王の子)が本日、イングランド人の王(King of the English)として即位した。わずか12歳前後での即位は、前王であり異母兄のエドワード(殉教王)が、昨日コーフ城にて何者かによって暗殺されるという衝撃的な悲劇を受けたものである。暗殺の背後にはエゼルレッドの母、エルフスリスの影も囁かれており、新王の治世は不穏な空気の中で幕を開けることとなった。

先王エドワードの治世下で対立していた貴族層は、若きエゼルレッドを新たな君主として受け入れた。しかし、12歳の少年に広大なイングランドの統治を期待するのは酷であり、実権は母后や周囲の廷臣たちが握るものとみられる。特に、近年再び活動を活発化させているデーン人(ヴァイキング)の略奪に対し、新政権がどのような防衛策を講じるのかが焦眉の急となっている。

教会関係者の間では、王位継承の正当性を疑問視する声や、兄王の死を「殉教」として神聖視する動きも広がっている。エゼルレッドは本日行われた儀式において、神と民衆に対する誠実な統治を誓ったが、その表情には幼さゆえの不安も垣間見えた。廷臣の一部からは「状況を静観し、性急な決断を避けるべきだ」との助言も出ているが、これが後の世に「無策(アンレディ)」と評される遠因にならぬか危惧する声も一部で上がっている。

北海を越えて迫る異民族の脅威と、国内の諸侯による権力闘争。あまりに重い王冠を戴いた少年王が、かつてのアルフレッド大王のような英断を下せるのか。イングランドの命運は、この若き王と、彼を取り巻く顧問団の手腕に委ねられた。

— RekisyNews 社会面 【978年】

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次