【エルサレム 3月17日】
イスラエル国会(クネセト)は本日、先月急逝したエシュコル首相の後任として、ゴルダ・メイア氏(70)の首相就任を承認した。同国初、そして世界でもスリランカのバンダラナイケ、インドのガンディーに次ぐ3人目の女性首相の誕生である。建国以前からの闘士であり、労働相や外相を歴任してきた彼女の選出は、中東情勢が緊迫の度を増す中、国家の団結を維持するための必然的な帰結と言える。
メイア新首相は就任演説において、周辺アラブ諸国との和平への意欲を示しつつも、国家の安全保障については一歩も退かない強硬な姿勢を鮮明にした。1967年の第三次中東戦争(六日戦争)で獲得した占領地の帰属を巡り、エジプトなどとの小規模な軍事衝突「消耗戦争」が続く中、鉄の意志を持つと評される彼女の手腕に国民の期待が集まっている。彼女は「我々の地域に平和をもたらす唯一の道は、我々の生存権を敵に認めさせることだ」と力強く宣言した。
かつて初代首相ベングリオンに「閣僚の中で唯一の男」と称えられた彼女だが、その素顔は労働者の権利を重んじ、国民の苦難に寄り添う温かさを併せ持つ。祖国イスラエルの生存を賭けた外交・軍事の舵取りは極めて困難なものと予想されるが、メイア氏はその豊かな政治経験と揺るぎない信念を武器に、この危機の時代を切り拓こうとしている。
中東の火薬庫がいつ再燃するか分からぬ今日、老練な女性指導者の誕生は、イスラエルのみならず世界の政治地図においても歴史的な転換点となるだろう。メイア政権の誕生により、ユダヤ国家は自らのアイデンティティと生存をかけた、新たな試練の季節へと足を踏み入れた。
— RekisyNews 社会面 【1969年】
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