【東京 3月17日】
日本政府は本日、麻薬の輸入、輸出、製造、及び所持などを厳格に規制する「麻薬取締法」(現・麻薬及び向精神薬取締法)を公布した。戦後の混乱期において、国内ではヒロポンなどの覚醒剤に加え、海外からの流入や旧軍の備蓄物資の流出による麻薬汚染が深刻な社会問題となっている。新法は、これら有害物質の濫用による保健衛生上の危害を防止し、国民の福祉を増進することを目的とした、戦後の法体系整備における重要な一環である。
これまでの規制は連合国軍総司令部(GHQ)の指令に基づくポツダム命令などが中心であったが、主権回復を経て、日本独自の強力な法的枠組みが必要とされていた。新法では、ジアセチルモルヒネ(ヘロイン)などの強力な麻薬について、医療・研究目的以外での取扱を厳しく禁じるだけでなく、違反者に対する罰則を大幅に強化。また、麻薬中毒者に対する強制入院措置や専門的な治療の実施についても規定されており、単なる取り締まりに留まらない包括的な対策を打ち出している。
厚生省の関係者は、「本法の施行により、街に溢れる違法薬物の供給源を断ち切り、中毒者の更生を促す法的基盤が整った」とコメント。警察当局も、暴力団などの犯罪組織の主要な資金源となっている麻薬取引の一掃に向け、体制を強化する構えだ。
薬物依存という闇が、復興の足かせとなっている現状を打破できるのか。本法は今後、時代の変化や新たな合成麻薬の出現に合わせて適宜改正される予定であり、日本の薬物対策の「憲法」としての役割を担うことになる。
— RekisyNews 社会面 【1953年】
