【ロンドン 3月17日】
英国議会下院は本日、北米植民地における印紙法の廃止を可決した。昨年3月の制定以来、大西洋を挟んで燃え広がった植民地側の激しい抵抗運動と、それに伴う経済的混乱に、本国政府が事実上屈する形となった。法案は上院を通過し、国王ジョージ3世の裁可を経て、近く正式に発効する見通しだ。
英国政府が、七年戦争による莫大な戦費調達と、植民地防衛費の確保を名目に導入した同法は、新聞、法的書類、トランプなどあらゆる印刷物に印紙の貼付を義務付けるものであった。これに対し、植民地側は「代表なくして課税なし」の不屈のスローガンを掲げ、印紙役人への暴力的な抗議や、英国製品の大規模なボイコットを展開。本国の製造業者や貿易商も、植民地との取引停止による深刻な打撃を訴え、議会に廃止を迫る事態となっていた。
本日の議場では、法案撤廃を支持する勢力が、植民地との通商再開による経済回復の必要性を強調。一方で、強硬派からは植民地に対する国家の威信低下や、今後の統治への悪影響を危惧する声も根強く、議論は深夜まで紛糾を極めた。
結局、印紙法は廃止されることとなったが、議会は同時に、植民地に対する英国議会の完全な立法権を確認する「宣言法」を可決。これにより、本国政府は租税を含むいかなる事案においても、植民地を拘束する権限を保持することを鮮明にした。印紙法の撤廃に沸き立つ北米植民地だが、この宣言法の成立は、英国と植民地の間の本質的な権限争いが未だ解決していないことを物語っている。
大西洋を挟んだ両者の緊張関係は、束の間の平穏を得たに過ぎず、将来的な対立の火種はむしろ強固なものとなった。植民地の自立への動きは、新たな局面を迎えることになるだろう。
— RekisyNews 社会面 【1766年】
