「悪友」を謝絶せよ ── 福澤諭吉、『時事新報』の社説に「脱亜論」掲載

【東京 3月16日】

本日付の『時事新報』に、日本の進むべき進路を鋭く問う衝撃的な社説「脱亜論」が掲載された。文明開化の波が押し寄せる東アジアにおいて、日本は近隣諸国との連帯を待つのではなく、自らアジアの旧態依然とした枠組みを脱し、西洋文明の列に加わるべきであると断じる内容である。

本論において執筆者(無署名だが福澤諭吉氏の主筆と目される)は、文明の伝播を「麻疹(はしか)」に例え、その勢いは防ぎようのない自然の理であると説く。日本がいち早くこの文明を受け入れた一方で、清国や朝鮮がいまだ伝統的な形式や古風な因習に固執している現状を厳しく批判。これら「悪友」と行動を共にすることは、国際社会において日本までもが野蛮な国と見なされる危難を招くと警告している。

この主張の背景には、昨年末に朝鮮で発生した甲申政変の失敗があるとみられる。日本が支援した独立党(開化派)の挫折と、その後の清国の介入は、知識層の間に「アジア諸国との共栄」に対する深い失望感をもたらした。社説は「我(わが)心において亜細亜(アジア)東方の悪友を謝絶するものなり」という苛烈な言葉で締めくくられ、独立独歩の文明化への決意を促している。

現在、日本の外交政策は欧米列強との条約改正という難題に直面している。この「脱亜」という視座が、今後の日本の対外戦略や国民意識にどのような変容をもたらすのか。言論界のみならず、政界からも大きな注目が集まっている。

— RekisyNews 社会面 【1885年】

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