【プスコフ 3月15日】
本日、ロシア皇帝ニコライ2世(48)は、激化する革命の混乱を受け、ついに帝位を退くことを宣言した。第一次世界大戦の最前線から首都ペトログラードへ戻る途上の御用列車内で、臨時政府および軍指導部からの要求を受け入れたもの。これにより、1613年から続いたロマノフ朝の専制統治は事実上の終焉を迎えた。
ニコライ2世は退位宣言書において、「愛する祖国に平和をもたらし、外敵に対する勝利を確かなものにするため」と退位の理由を述べた。当初は病弱な皇太子アレクセイを案じ、実弟のミハイル大公に皇位を譲る意向を示したが、ミハイル大公も翌日、民衆の支持がない中での即位を辞退。帝政ロシアは国家の象徴を完全に失う形となった。
首都ペトログラードでは、食糧難と戦争に抗議する民衆や兵士らによる「二月革命」が吹き荒れており、皇帝の退位はこの激動の帰結といえる。権力はすでに、自由主義的な貴族や政治家による「臨時政府」と、労働者・兵士の代表機関である「ソビエト」へと移っており、両者が並び立つ「二重権力」状態が生まれている。
300年にわたり「全ロシアの専制君主」として君臨したロマノフ家の退場は、欧州の勢力図を根本から塗り替える衝撃を世界に与えている。混乱の極致にあるロシアは、今後、民主的な共和制を確立できるのか、あるいはさらなる過激な社会変革へと突き進むのか。人類史上類を見ない壮大な実験が、今まさに始まろうとしている。
— RekisyNews 社会面 【1917年】
