【大阪 3月13日】
本日、日本の大阪市西区四ツ橋に建つ「大阪市立電気科学館」において、わが国初となるプラネタリウムの一般公開が開始された。地上に居ながらにして全天の星々を精密に再現するこの最新鋭の光学機器は、科学の驚異を市民に伝える新たな名所として、初日から多くの観客を集めている。
公開されたのは、ドイツ・イエナのツァイス社が製造した「ツァイスII型」投影機である。直径18メートルの巨大なドーム天井に、9000個もの恒星、さらに惑星、太陽、月が投映され、四季折々の星空や数千年前の夜空までもが自在に再現される。
会場では、学芸員による生解説も行われており、都会の灯りでは見ることが叶わない天の川や流星がドームいっぱいに映し出されると、観客席からは溜息と歓声が漏れた。科学館側は「この施設を通じて、次代を担う子供たちが天文学や物理学に深い関心を持つことを期待している」としている。
日本が近代化の道を歩み、工業都市として発展を続ける大阪において、この「東洋一」と謳われる科学館の誕生は、文化・教育の面でも画期的な意義を持つ。戦時下の影が忍び寄る昨今、ドームの中に広がる静謐な宇宙のドラマは、市民にとって科学への夢を育む貴重な窓口となるだろう。
— RekisyNews 社会面 【1937年】
