【バース(英サマセット州) 3月13日】
本日深夜、バース在住の天文学者ウィリアム・ハーシェル氏が、夜空の観測中に極めて特異な天体を発見した。これまでの観測記録にないこの「新参者」の正体が惑星であると確定すれば、古代ギリシャ以来、不変と思われていた太陽系の地図が初めて書き換えられることになる。
ハーシェル氏は、自宅の庭に設置した自作の6.2インチ反射望遠鏡で双星の調査を行っていたところ、ふたご座の付近に周囲の恒星とは異なる「円盤状の輪郭」を持つ薄明るい星を捉えた。数日間にわたる追跡観測の結果、この天体が背景の星々に対して僅かに移動していることが判明。氏は自身の記録に「彗星か、あるいは星雲状の星」と記している。
しかし、他の彗星に見られるような「尾」が確認されないことや、その後の計算で軌道がほぼ円形であることが示唆されており、王立協会の天文学者たちの間では「これは土星より遥か遠方を巡る、未知の第七の惑星ではないか」との驚きが広がっている。
ハーシェル氏は、この新発見の星を時の国王ジョージ3世にちなみ「ジョージの星(Georgium Sidus)」と命名することを提案しているが、大陸の天文学者からは神話に基づいた名称を求める声も上がっている。
もしこれが惑星であれば、我々の住む太陽系の広さは一挙に倍増することになる。一人の音楽家が手作りの鏡で覗き込んだ宇宙の深淵は、人類の知識の地平を永遠に変えてしまったのかもしれない。
— RekisyNews 天文面 【1781年】
