国民公会、パリに「革命裁判所」を設置 ── 反革命罪を審理、控訴認めず

【パリ 3月10日】

本日、国民公会は、共和国の存続を脅かす「反革命分子」を裁くための特別刑事法廷、革命裁判所の設置を採択した。対仏大同盟による外部からの侵攻と、国内で激化する反乱という二重の危機に対処するため、革命政府は法の執行を極限まで加速させる決断を下した。

新設されたこの裁判所は、通常の司法手続きとは一線を画す。特筆すべきは、判決に対する控訴が一切認められない点である。検事総長には冷徹な職務遂行で知られるフーキエ・タンヴィル氏が任命される見通しで、反革命の嫌疑をかけられた者は、弁護の機会も限られたまま、迅速にギロチン台へと送られる可能性が極めて高い。

ジャコバン派の有力者ジョルジュ・ダントン氏は演説で、「民衆が自ら恐ろしい暴動に走らぬよう、我々が恐ろしい存在(裁判所)にならねばならない」と述べ、この過酷な措置を正当化した。しかし、穏健派の中には、恣意的な運用によって無実の市民が犠牲になることを危惧する声も根強く残っている。

パリの街角には、密告を奨励するポスターが貼られ、隣人同士が疑心暗鬼に陥る不穏な空気が漂い始めている。本日の決議は、かつて掲げられた「友愛」の理想を、血に染まった「恐怖政治」へと変貌させる引き金となるのか。共和国の正義は、今や冷たい鋼鉄の刃とともに執行されようとしている。

— RekisyNews 国際面 【1793年】

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