【京都 3月10日】
本日、尾張国の上四郡守護代を務める織田信長氏が、京都の二条御所において室町幕府第13代将軍・足利義輝公に拝謁した。信長氏が京の地を踏み、公の場で将軍と対面するのは今回が初めてである。
信長氏は先月、わずか80名ほどの精鋭を率いて尾張を出発。三好氏や松永氏ら諸勢力が割拠し、治安が悪化している近江・山城路を強行突破しての上洛となった。本日の謁見において、信長氏は将軍に対し忠誠を誓うとともに、尾張国内における自らの支配の正当性を認められたものと見られる。
現在、尾張では清洲城を拠点とする信長氏が反対勢力を次々と掃討し、国全体の統一が目前に迫っている。今回の拝謁は、単なる表敬訪問にとどまらず、旧来の守護体制が崩壊しつつある中で、幕府権威を背景に自らの地位を確固たるものにする狙いがある。
「剣豪将軍」として知られる義輝公と、尾張の風雲児・信長氏。没落しつつある幕府と、新興の地方勢力が火花を散らす京の都。本日の出会いが、戦国乱世の行方にどのような影響を及ぼすのか。若き信長氏の鋭い眼光は、既に尾張の先、天下の趨勢を見据えているかのようであった。
— RekisyNews 政治面 【1559年】
