世紀の詐欺師イライ・サカイ逮捕 ── 三越「贋作事件」の主犯、FBIが拘束

【ロサンゼルス 3月9日】

本日、米連邦捜査局(FBI)は、ロサンゼルスにおいて世界的贋作詐欺師として知られるイライ・サカイ容疑者を、盗品売買の疑いで逮捕したと発表した。サカイ容疑者は、1982年に日本の日本橋三越で開催された「古代ペルシア秘宝展」において、大量の贋作を売り込み、同百貨店の社会的信用を失墜させた「三越事件」の影の主役として国際的に指名手配されていた人物である。

今回の逮捕容疑は、1990年代にロサンゼルス近郊の美術館から盗み出された貴重なタイの仏像を、古美術市場で密売しようとしたことによる。サカイ容疑者は長年にわたり、精巧な贋作や盗品を「由緒ある名品」と偽り、世界中のコレクターや美術館を欺いてきたとされる。

日本の関係者にとって、サカイ容疑者の名は「三越の悲劇」と深く結びついている。1982年当時、当時の岡田茂社長と愛人の竹久みち氏が主導した「古代ペルシア秘宝展」において、サカイ容疑者は出土品と称する金銀器など約300点を持ち込んだ。しかし、その大半が現代に作られた贋作であることが判明。三越側はサカイ容疑者に対し十数億円を支払っており、この不祥事は岡田社長の解任という劇的な幕切れを招いた。

「三越事件」に関しては、日本での公訴時効が既に成立しているため、今回の逮捕で当時の詐欺罪を直接問うことは困難と見られる。しかし、20年以上の時を経て、世界を股にかけた詐欺師がついに捜査当局の手に落ちたという報は、美術界に大きな衝撃を与えている。精巧な偽物で「美」と「欲」を弄んだ男の長い逃亡生活は、西海岸の法廷で審判を受けることになる。

— RekisyNews 社会面 【2004年】

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次