ドイツ、ラインラント進駐を強行 ── ロカルノ条約破棄、欧州の均衡崩壊か

【ベルリン 3月7日】

本日午前、アドルフ・ヒトラー総統率いるドイツ軍部隊が、第一次世界大戦後の条約により非武装地帯と定められていたラインラントへの進駐を開始した。これと同時にヒトラー総統はベルリンで演説を行い、欧州の安全保障の要であったロカルノ条約の破棄を正式に宣言。ヴェルサイユ体制以来の国際秩序は、重大な局面を迎えている。

ラインラントは、ドイツ西部のフランス、ベルギー、オランダとの国境沿いに位置する要衝だ。ヴェルサイユ条約および1925年のロカルノ条約により、ドイツはこの地域への軍隊の駐留や軍事施設の建設を厳格に禁じられてきた。しかし本日、数千人のドイツ兵が「平和の象徴」のライン川を越え、ケルンやマインツなどの主要都市に入城。沿道の市民はナチス旗を振り、熱狂的な歓声でこれを迎えた。

ヒトラー総統は国会演説において、今回の進駐を「ドイツの主権回復」と正当化した。昨年調印された「仏ソ相互援助条約」を、ドイツを包囲する敵対的なものだと非難し、「これによってロカルノ条約の精神は崩壊した」と主張。ドイツは自国の国境を守る当然の権利を行使したに過ぎないとの立場を強調している。

この電撃的な行動に対し、隣国フランスや英国には激震が走っている。フランス軍は国境付近の警戒を強めているが、現時点で武力による介入には至っていない。ドイツ軍の将軍たちの中には、フランスの強力な反撃を恐れ、この「賭け」に慎重な声もあったとされるが、独軍は依然として進駐を続けている。

非武装地帯という「緩衝地帯」が消滅したことで、欧州の軍事的バランスは劇的に変化した。ナチス・ドイツの野心的な行動に対し、国際社会がどのような答えを出すのか。世界は再び、一触即発の暗雲に包まれようとしている。

— RekisyNews 国際・軍事面 【1936年】

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