【横浜 3月6日】
本日、横浜市港北区の新横浜駅近くに、世界初のフードアミューズメントパーク「新横浜ラーメン博物館」が華々しく開館した。単なる飲食店街の枠を超え、全国の銘店が一堂に会するこの施設は、開館直後から「究極の一杯」を求める家族連れや若者たちで溢れかえり、早くも新横浜の新たな名所として産声を上げている。
地下へと続く階段を降りると、そこには夕暮れ時の「昭和33年」の街並みが再現されていた。日本でインスタントラーメンが誕生したこの年をテーマにした空間には、古い看板や銭湯の入り口、赤電話などが精巧に配置され、訪れた人々をノスタルジーの渦に巻き込んでいる。そのレトロな景観の中に、札幌の「すみれ」や福島の「赤湯からみそラーメン 龍上海」など、現地へ赴かなければ味わえなかった全国屈指の銘店が軒を連ねている。
館長の岩岡洋志氏が提唱したのは、「飛行機に乗らずに全国のラーメンを食べ歩く」という画期的なコンセプトだ。各店舗では、食べ歩きを楽しめるよう通常より小ぶりの「ミニラーメン」も用意されており、一杯のどんぶりに凝縮された地域の歴史と職人のこだわりを、一度に何軒も堪能できるよう工夫されている。
新幹線の停車駅でありながら、ビジネス街の印象が強かった新横浜に誕生したこの巨大な「食の殿堂」。単なるブームに留まらず、日本の国民食であるラーメンを文化として保存・発信するこの試みが、今後どのような経済効果と話題を呼ぶのか。湯気の向こうに広がる「昭和の夢」に、多くの期待が集まっている。
— RekisyNews 文化面 【1994年】
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