「鉄のカーテン」欧州を分断 ── チャーチル前首相、米ミズーリ州で歴史的演説

【フルトン 3月5日】

英国のウィンストン・チャーチル前首相は本日、アメリカ合衆国ミズーリ州のウェストミンスター大学において演説を行い、ソビエト連邦による東欧諸国の支配を「鉄のカーテン」という言葉で激しく非難した。トルーマン米大統領が同席する中で放たれたこの警告は、終結したばかりの第二次世界大戦後の国際秩序に、深刻な亀裂が生じていることを白日の下にさらした。

チャーチル氏は演説の中で、「バルト海のシュテッティンからアドリア海のトリエステまで、大陸を横切る鉄のカーテンが降ろされた」と述べ、ベルリン、プラハ、ワルシャワ、ブダペストといった東欧の古都が、ソ連の強力な影響下(ソビエト化)に置かれている現状を告発。これら諸国において、真の民主主義が失われつつあることに強い懸念を表明した。

さらに氏は、英語圏諸国の「特別な関係」の維持と、共産主義の拡大を阻止するための断固たる団結を呼びかけた。「ソ連は戦争を望んでいるわけではないが、その果実と自らの思想の無制限な拡張を望んでいる」と分析し、宥和政策の過ちを繰り返さないよう訴えた。

この演説に対し、モスクワ側からの猛烈な反発は必至と見られている。ワシントンでも、ソ連との協調を模索する勢力からは「好戦的すぎる」との批判が出ているが、多くの聴衆はチャーチル氏の洞察に満ちた警告を支持する構えだ。

かつてナチスの脅威に対し世界を鼓舞した老指導者の言葉は、平和を享受し始めた世界に冷たい衝撃を与えた。この「鉄のカーテン」演説は、大国間の協力関係の終焉と、世界を二分する新たな対立構造──すなわち「冷戦」の幕開けを告げる象徴的な瞬間として、歴史に刻まれることになるだろう。

— RekisyNews 政治面 【1946年】

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次