日本映画監督協会、発足 ── 地位向上と芸術守護を掲げ

【東京 3月1日】

本日、丸の内の東京會舘において、日本映画監督協会の結成式が盛大に執り行われた。これまで各映画会社の傘下に置かれ、一職能に甘んじていた監督たちが、自らの地位向上と映画芸術の自由を守るべく、会社の垣根を越えて大同団結した格好だ。

発起人には、日本映画界の黎明期を支えてきた小津安二郎溝口健二村田実内田吐夢ら、錚々たる顔ぶれが名を連ねている。初代理事長には、その人格と実績で厚い信頼を寄せられる村田実氏が就任した。

現在、日本の映画界はトーキー(有声映画)への移行期にあり、制作現場では技術的な混乱と資本の論理が優先される傾向にある。こうした中で、監督たちは「監督権の確立」を強く主張。作品の最終的な編集権や芸術的な主導権を確保することで、日本映画の質を世界的な水準へと高めていく決意を表明した。

結成式に出席したある監督は、「我々は単なる雇われではない。映画という新しい芸術を創造する責任者だ」と、熱っぽく意気込みを語った。二・二六事件からわずか数日という不穏な時局下ではあるが、文化の旗手たちの団結は、沈滞しがちな社会に一筋の希望の光を投げかけている。

— RekisyNews 文化・芸能面 【1936年】

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