【ローマ・ロンドン 2月25日】
カトリック教会の頂点、ローマ教皇ピウス5世は本日、イングランド女王エリザベス1世に対する破門を宣告する教皇勅書『レグナンス・イン・エクセルシス(天上の支配者)』を発布した。これにより、エリザベス1世は正式に「偽の女王」として断罪され、イングランドの臣民は女王への忠誠義務から完全に解放された。この熾烈な一撃は、プロテスタントとカトリックの宗教対立を決定的なものとし、欧州全域を巻き込む「血の争乱」の予兆となっている。
今回の破門の背景には、エリザベス1世がイングランド国教会を再建し、自らを「信仰の擁護者」と位置づけてカトリック教徒を弾圧したことへの強い報復がある。教皇庁はこれまで外交的な融和を模索してきたが、昨年の「北部貴族の反乱」を経て、もはや妥協の余地はないと判断。教皇は女王を「悪徳の奴隷」と呼び、彼女の王位継承権を剥奪すると宣言した。これは、君主の権威を教会の下に置こうとする伝統的な教皇権の再確認であると同時に、イングランド国内のカトリック勢力に向けた「反乱への招集状」に他ならない。
現場となったローマのバチカン宮殿では、教皇が厳粛な面持ちで勅書を読み上げ、その波紋は瞬く間にロンドンへと伝わった。エリザベス女王は今回の通告に対し、泰然自若とした姿勢を崩していないが、ロンドン塔付近では不穏な噂や陰謀の影が濃くなっており、治安当局は警戒を強めている。ある宮廷関係者は「この紙切れ一枚が、どれほどの血を流すことになるのか。女王陛下は国を守るために、さらなる苛烈な支配を余儀なくされるだろう」と、苦渋の表情で語った。
この破門通告が、イングランド国内のカトリック信者を「国家への反逆者」という窮地へ追い込み、後のスペイン無敵艦隊との激突へと繋がる決定的な火種となるのではないかとの見方もある。また、教皇の断罪がエリザベス1世のカリスマ性を逆に高め、「処女王」としての国家的統合を盤石なものにしていくのか。欧州を分断するこの一本の境界線が、近代国家の成立にいかなる影響を及ぼすのか、その行方が鋭く注目される。
— RekisyNews 外報 【1570年】
