【ブリュッセル・バチカン 2月24日】
欧州連合(EU)の加盟国、およびローマ・カトリック教会の歴史において、本日、一つの長い伝統が幕を閉じようとしている。数世紀にわたり、古代ローマの慣習に従って2月24日を「閏(うるう)の日」としてきた特別措置が、本日をもって最後となる。次回、西暦2000年の閏年からは、国際標準に合わせる形で2月29日が正式な閏日となることが決定している。これは、科学的な正確さと国際的な合理性を優先させる、カレンダー上の「欧州統合」と言える。
今回の変更の背景には、古代ローマのユリウス暦以来続く「2月24日を二度繰り返す(bissextus)」という複雑な計算方法がある。キリスト教の典礼暦では、聖マティアの祝日などの重要な行事がこの「24日」の重複に影響を受けてきたが、現代のデジタル社会や国際物流においては、月末ではない24日を調整日とすることは煩雑を極めていた。EUおよび教会当局は、世界標準のISO規格との整合性を図るため、ついに伝統の紐解きを決断。これにより、20世紀最後の閏日を境に、欧州の時間は新たな秩序へと移行する。
現場となったバチカンの典礼省やブリュッセルのEU本部では、この「最後の24日」を静かに記録に留める動きが見られる。あるカレンダー製作に携わる印刷業者は、「これまでは2月24日をどう表記するかで頭を悩ませてきたが、次からはシンプルに29日を追加するだけになる。伝統が消える寂しさはあるが、これも時代の流れだ」と、安堵と一抹の哀愁を込めて語った。欧州の古い街角では、聖人の祝日を数え直す司祭たちの姿があり、歴史の断片が書き換えられる音のない鼓動が響いている。
この閏日の統一が、欧州全域の事務手続きや金融システムの効率化を盤石なものにし、国境を越えた社会基盤の統合を加速させるのではないかとの見方もある。また、数千年にわたり日付を律してきた「伝統」と、機能性を重視する「近代」のせめぎ合いが、人類の時間に対する感覚にいかなる変化をもたらすのか。20世紀最後の特別な24日が、明日へのカレンダーにどのような橋を架けるのか、その静かな変革が鋭く注目される。
— RekisyNews 時報 【1996年】
