板垣退助、大阪で愛国社結成 ーー 民撰議院の声を束ね、政の道を求む

【大阪 2月22日】

本日、大阪において土佐出身の元参議板垣退助らが政治団体愛国社を結成した。集まったのは各地の有志で、自由民権の実現と民撰議院の開設を求める声を束ねるのが狙いとされる。

席上では、言論を通じて世論を起こし、政府に対して憲法制定と議会設置を迫るべきだとの意見が相次いだという。結成の趣旨は、地方の結社や演説会の動きを結び、運動を一過性で終わらせぬための「連絡の場」を作ることにあると伝えられる。発起に加わった者の中には、旧土佐藩関係者や在阪の商人、新聞人の名も聞かれた。

明治政府は版籍奉還・廃藩置県を経て中央集権を進める一方、地租改正や徴兵などの改革で民の負担も増え、政の決め方をめぐる不満がくすぶる。板垣はかつて政府中枢にあったが、征韓論をめぐる対立を契機に下野し、各地で「国会を」と訴えてきた。政府内には秩序維持を重んじる声も強く、結社の広がりを警戒する見方もあるが、各地の有志が連携を深めれば、民意の組織化が進むとして注目される。

会場となった座敷では、冬の湿った風が障子を鳴らし、行灯の明かりに墨の匂いが漂った。書記が規約案を書き付けるたびに羽根筆が擦れ、参加者は膝を詰めて「自由」と「国会」の文字を指で追ったという。新団体が運動の核となるか、今後の動きに見方もある。

— RekisyNews 政治面 【1875年】

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