マルコム・X、ハーレムで銃撃され死亡 ーー 演説会場騒然、黒人運動に衝撃

【ニューヨーク 2月21日】

本日午後、ハーレムの集会場「オーデュボン・ボールルーム」で演説に臨んだ黒人運動指導者マルコム・Xが、開会直後に銃撃を受け死亡した。会場は支援者で埋まり、アフリカ系アメリカ人統一機構(OAAU)の集会として開催されていたが、壇上付近で口論が起きた直後、発砲音が重なり、聴衆は床に伏せるなど混乱した。負傷者の有無や人数は混乱の中で判然とせず、現場では救急隊が搬送に追われたという。警察当局は容疑者の行方を追い、ニューヨーク市警(NYPD)が周辺道路を封鎖して捜査に入った。

会場の外には瞬く間に人だかりができ、泣き崩れる女性や「なぜだ」と叫ぶ若者の姿が見られた。報道陣が押し寄せ、近隣の商店はシャッターを下ろし始めたという。建物内の空気は火薬の匂いとざわめきで満ち、壇上に向かうはずだった原稿用紙が床に散らばったまま、警官が出入口を押さえた。

背景として、マルコムはかつてネーション・オブ・イスラムのスポークスマンとして台頭し、イライジャ・ムハンマドとの確執の後に離脱。昨年のメッカ巡礼を経て立場を拡げ、公民権運動の潮流とも距離を探りつつ、黒人ナショナリズムと自衛の主張を続けていた。近ごろは脅迫が相次いだともされ、陣営内外の対立が深まっていたとの見方もある。指導者の急逝は、ハーレムの若者から各地の活動家まで広い支持層に衝撃を与え、今後の運動の結束と路線に影響すると注目される。

— RekisyNews 国際面 【1965年】

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