【香川・坂出 2月20日】
本日未明、香川県坂出市の聖通寺山(しょうつうじやま)において、四国電力の高圧送電鉄塔が根元からへし折れるようにして倒壊しているのが発見された。これにより、周辺地域への電力供給に影響が出たほか、現場からは故意にボルトが引き抜かれた形跡が見つかった。警察当局は、組織的な破壊工作を視野に入れた器物損壊および往来妨害の疑いで、大規模な捜査を開始した。
倒壊したのは、瀬戸大橋の四国側入り口付近に位置する高さ約70メートルの巨大な鉄塔である。四国電力の監視システムが異常を検知し、作業員が現場に駆けつけたところ、鉄塔は無残に横倒しとなり、周辺の樹木をなぎ倒していた。幸いにも住宅地からは離れていたため人命への直接的な被害はなかったが、瀬戸大橋のライトアップが消灯し、一時的な停電が発生するなど、都市インフラへの重大な脅威が露呈した。
特筆すべきは、倒壊の状況が自然災害によるものとは明らかに異なる点だ。現場検証の結果、鉄塔の脚部を固定していた計80本近い連結ボルトのほとんどが、工具を用いて意図的に抜き取られていたことが判明した。警察関係者は「鉄塔の構造を熟知した者による、極めて計画的かつ悪質な犯行」との見方を強めている。
この「坂出送電塔倒壊事件」は、特定の思想的背景を持つグループによるテロ行為なのか、あるいは電力会社に対する個人的な恨みによるものなのか、未だ犯行の目的は謎に包まれている。社会の心臓部ともいえる送電網が、これほど容易に物理的な破壊にさらされた事実は、全国の電力関係者および防犯当局に大きな衝撃を与えた。
現在、聖通寺山周辺では検問が敷かれ、遺留品の捜索が不眠不休で進められている。目撃情報が極めて少ない中、闇に紛れて重要施設を破壊した「見えない犯人」の影を追い、捜査本部は威信をかけて犯人の特定を急いでいる。
— RekisyNews 社会面 【1998年】
