「アンプルかぜ薬」販売停止広がる ── 大正・エスエス両社が自主措置、厚生省も警戒強める

【東京 2月20日】

家庭の常備薬として広く用いられてきたアンプル入り総合感冒薬をめぐり、相次ぐ急性症状の報道で不安が高まる中、大正製薬エスエス製薬は本日、該当する製品の販売停止を自主的に実施すると明らかにした。薬局店頭では朝から問い合わせが続き、撤去を急ぐ動きも見られる。

とりわけアンプル剤は、錠剤や散剤に比べ「すぐ効く」として人気を集め、忙しい会社員が出勤途上に店頭で飲み干す光景も珍しくなかったという。だが近ごろ、服用直後に急変する例が続いたと伝えられ、家庭薬への信頼そのものが揺らいでいる。

本件は、服用直後に血圧低下などのショック症状を起こし重篤化する例が各地で指摘されていることに端を発し、製剤に配合されたピリン系解熱鎮痛成分、とりわけアミノピリンスルピリンを含む製品への警戒が強まっている。アンプルは飲み切り容器である一方、1本あたりの成分量が多くなりがちで、体質や体調、服用量によって危険が増すとの見方が出ている。

当局筋によれば、厚生省はすでに用法の是正や回収を促す通知を出し、業界に管理徹底を求めているという。両社は製造工程と配合、容器単位の用量表示を点検し、再発防止策が整うまで出荷を見合わせる方針だ。日常に近い薬ほど信頼が求められるだけに、事件の行方は医薬品行政と企業姿勢をめぐる論議を呼びそうである。

— RekisyNews 社会面 【1965年】

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