【東京 2月20日】
本日、東京大学本郷キャンパスにて開催されていた「劇団ポポロ」の演劇発表会の最中、会場内に潜入していた私服警官が学生らによって発見されるという衝撃的な事件が発生した。この事態を受け、「学問の自由」と「大学の自治」を巡る議論が、教育界のみならず社会全体を巻き込む大きな波紋を広げている。
事件が起きたのは午後、学生らによる演劇の上演中であった。観客の中に不審な男たちが混じっていることに気づいた学生らが問い詰めたところ、彼らが本富士警察署の署員であることが判明。激昂した学生たちは警官を取り囲み、その場で警察手帳を取り上げた。驚くべきことに、押収された手帳には、特定の教授や学生運動に参加する者の動向、思想背景などが詳細に記されており、警察が日常的に学内の監視活動を行っていた実態が白日の下にさらされた。
警察側は、学内での違法行為を未然に防ぐための正当な捜査活動であると主張し、手帳を奪った学生2名を暴力行為等処罰法違反の疑いで起訴する方針を固めている。これに対し、大学側や学生組織は「警察権力の不当な介入であり、憲法で保障された大学の聖域を侵す暴挙である」と猛烈に反発。教職員組合も「監視の目がある中では、自由な探究も批判的精神の育成も不可能だ」との声明を発表した。
戦後の新憲法下において、大学の自治がどこまで認められるべきか、また警察権力が学内に立ち入る際の正当な手続きはいかにあるべきか。今回の「東大ポポロ事件」は、単なる学生と警察の衝突に留まらず、民主主義国家における表現の自由の本質を問う歴史的な法廷闘争へと発展する様相を呈している。
キャンパス内には今なお緊迫した空気が漂っており、学生たちは「自治の旗」を守るべく団結を呼びかけている。戦火から立ち上がったばかりの学舎で、今、再び自由を巡る戦いが始まろうとしている。
— RekisyNews 社会面 【1952年】
