幕府、火付盗賊改方を新設 ── 放火と盗賊を一手に取り締まり、江戸の治安立て直しへ

【江戸 2月19日】

江戸幕府は本日、凶悪犯取締りの専任として、従来の盗賊改に放火取締りの火付改を加え、火付盗賊改方を置いた。町々では近年、盗みに加えて火を放ち混乱に乗じて逃れる手口も聞かれ、治安の動揺が長引いていた。幕府は、役所の手の届きにくい場所で起こる一連の事件をまとめて扱い、迅速に追跡・召捕える体制を整える狙いとみられる。 

市中では今朝から、町触の文言を確かめる者が相次いだ。火の用心を命じる半鐘が鳴るたび、路地では戸が早く閉まり、店先の灯も控えめになる。火事は一夜で家々を灰にし、盗賊は人心の隙を突く。大火の後に荒れた町を立て直すには、火と盗みの両方を断つほかない、という声は町人の間にも根強い。

もともと幕府は寛文の頃に盗賊の取締りを担う仕組みを設けたが、放火の恐れが消えぬ以上、役目を分けていては追及が遅れる。今回の新設で、探索から召捕え、吟味に至るまでの流れが一本化される見込みだ。町奉行の支配と並び、武家の手で強く取り締まる形になるとも伝わり、顔役たちは「見せしめではなく、まず未然を断つ働きが要る」と話す。 

今後は、放火・盗賊の噂が立つ町や往来を重点に見回りが増えるとみられる。市中の者は「火が減れば商いも落ち着く」と期待する一方、取締りが強まれば下火の博奕や悪党の動きも変わるとして、しばらくは用心を怠れぬ空気である。

— RekisyNews 社会面 【1683年】

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