【ワシントン 2月18日】
リチャード・ニクソン米大統領は本日、議会に向けた外交教書「1970年代の米国の外交政策—平和のための新戦略—」を公表し、今後の対外姿勢の骨格として平和三原則を強調した。
教書が掲げたのは以下の3点である。
①既存の条約上の約束を守ること
②同盟国・友好国の自主防衛努力を強めさせ、そのための援助を行うこと
③核保有国による脅威が同盟国の自由を脅かす場合には「核の傘」を提供する
大統領は、米国があらゆる紛争に同じ規模で関与するのではなく、友好国との協力を軸に責任を分かち合う姿勢をにじませた。近年の戦争の長期化で世論の負担感が強まる中、教書は「同盟を維持しつつ、関与の形を変える」方針を示したと受け止められている。行政当局は、対外援助の再編や在外兵力の運用を見直し、必要な地域に柔軟に力を向ける構えだという。
連邦議会周辺では、援助の総額や対象国の選び方をめぐり、与野党から早くも注文が出始めた。ある議員は「友好国の自立を促すのは筋が通る」と評価する一方、「援助を減らし過ぎれば空白を招く」と警戒した。報道各社は、条約遵守を前面に出した点を、同盟国の不安を抑える狙いと伝えている。
同盟国側では、国防の負担がより重く求められるとの見方が広がり、外交筋は「自主防衛の強化」が今後の交渉の合言葉になるとみる。教書が示した線が、アジア・欧州の同盟関係や地域の緊張にどう影響するか、各国は慎重に読み解いている。ワシントンの街は小雨で、官庁街の喫茶店では新聞を広げた職員が数字と文言を指で追った。新方針が実際の予算と兵力配置にどう落ちるかが、次の焦点となる。
— RekisyNews 国際面 【1970年】
