「白いバラ」摘発、ミュンヘン大学で学生を拘束

【ミュンヘン 2月18日】

ミュンヘン大学で本日、反体制のビラを散布していた学生グループ「白いバラ」の中核とみられるハンス・ショルゾフィー・ショルゲシュタポに拘束された。関係者の話では、両名は講義の合間を狙い、校舎内の通路にビラの束を置いたのち、上階の吹き抜けから紙片を撒いたという。白い紙がひらひらと落ち、拾い上げた学生が周囲をうかがううち、守衛が駆け付けた。ほどなく出入口が閉じられ、学生服姿の二人が連行されるのを目撃した者もいる。

散布物は、戦争の遂行や市民の沈黙に疑問を投げかける趣旨だったと伝えられるが、当局は「動揺を誘う扇動」として厳重に扱っている。校舎の階段や講義室の隅では、ビラを踏まぬよう避けて歩く者、急いでポケットに押し込む者が混じり、空気は凍りついた。直後に清掃員が紙片をかき集め、廊下には軍靴の足音が響いたという。

当局は、散布物が政府と党の指導を批判し、戦時下の忠誠心を揺さぶる内容だとして、背後関係の追及を急ぐ。学内では講義の開始が遅れ、掲示板の前に人が集まった。教授の一人は「不用意に口にすれば危うい」と学生を制し、学生側も沈黙を守る者が多い。一方で「誰が次に捕まるのか」と不安を漏らす声も聞かれた。

これまで匿名で文書を作り、郵送や夜間の配布で良心を訴えてきたとされる同グループをめぐっては、先月以降、街角で反体制の落書きが見つかった件との関連も取り沙汰され、当局は組織的な活動として扱う構えだ。拘束後、二人は直ちに取り調べを受けているもようで、同調者の有無が焦点となる。学都ミュンヘンでの摘発は、戦時の締め付けが大学の内側にまで及んだことを印象づけ、若者の間に重い影を落としている。

— RekisyNews 国際面 【1943年】

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