米、世界初の気象観測衛星「バンガード2号」を打ち上げ

【米フロリダ州ケープカナベラル 2月17日】

米国は本日午後(協定世界時15時55分)、海軍研究機関が進める計画の一環として、雲の分布を測るための衛星「バンガード2号」をバンガード・ロケットで打ち上げ、地球周回軌道への投入に成功した。

衛星は直径約50センチの球形で、二つの受光素子が回転に合わせて地表を走査し、昼側の地球に広がる雲量の広がりを段階的に読み取る仕組みだ。観測結果は記録装置に蓄え、地上局からの呼びかけに応じて送信する方式とされ、電池でおよそ20日程度の運用を見込むという。加えて軌道の変化から上層大気の密度を推し量ることも期待されている。 

射場周辺には関係者が集まり、点火後の炎と白煙が浜風に押される中、機体は暗い空へ上昇した。発射直後の管制室では交信の報が相次ぎ、速度と高度の数値が掲示板に並ぶたびに緊張が高まった。軌道投入を示す報が入ると、席を立って抱き合う者もいたという。一方で衛星は姿勢が安定しなければ受光の向きが乱れ、雲量の判定が難しくなる。関係者は「回転の整え方が鍵だ」とし、今後の受信と解析で実用性を確かめる考えを示した。 

気象観測を地上の観測所や航空機に頼ってきた従来の手法に対し、上空から広域を同時に捉える試みは画期的だ。宇宙開発をめぐる各国の競い合いの中、科学利用の成果としても注目される。関係筋は、得られた雲量データが航海・航空の安全、農作の見通し、台風の進路判断に役立つ可能性を挙げ、宇宙から天候を読む時代の端緒になると期待を語った。 

— RekisyNews 科学面 【1959年】

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