【ルクソール 2月16日】
本日、英国の考古学者ハワード・カーターが、王家の谷にて発見された古代王の墓室を正式に開封した。昨年発見されて以来、慎重な調査と準備が続けられてきたが、三千年以上封じられていたとみられる王墓の内室が初めて人の目に触れた。
墓は第十八王朝の若き王、ツタンカーメンのものと確認されている。既に前室からは黄金の寝台や装飾品、戦車などが見つかっていたが、今回開かれた石棺のある内室には、さらに精巧な工芸品とともに、王の棺が安置されているとみられる。
カーターは支援者であるカーナヴォン卿立ち会いのもと、封印を慎重に解き、内部を確認したという。立ち会った関係者によれば、壁面には鮮やかな彩色が残され、古代エジプト王朝の埋葬儀礼を今に伝える貴重な遺構であることが明らかとなった。
王家の谷では長年、盗掘が相次いでいたが、この墓はほぼ完全な状態で残されているとされ、考古学界にとって前例のない発見である。現地には欧州各国の学者や報道関係者が集まり、発掘の行方を見守っている。
ナイルの岸辺に眠っていた若き王は、幾星霜を経て再び歴史の光の中へ姿を現した。
— RekisyNews 国際面 【1923年】
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